学会研修:第27回年次大会プレワークショップ “「事例性の成立」とは何か?” 開催のお知らせ
今年11月の第27回年次大会に先立ち、9月に学会主催の研修プレワークショップを開催いたします。
第27回年次大会1日目に開催する「大会全員参加力動的心理療法ワークショップ“事例性と疾病性:事例性成立に向けての面接展開”」のテーマとなっている事例性について学ぶことのできるワークショップです。
事例性について詳しく学びたい方、大会ワークショップに向けて準備をしたい方、ぜひご参加ください。
また、事例性について基本的な理解をされている方でも、事例性という概念の歴史的な意味から現代的な重要性をより詳しく学べる内容になっておりますので、ぜひご参加ください。
IADP年次大会への参加をご検討の方、ぜひこちらにご参加いただきIADPの雰囲気を体験していただければと思います。
皆様にお会いできるのを楽しみにお待ちしております。
国際力動的心理療法学会
第27回年次大会会長 花井 俊紀
第27回年次大会プレワークショップ
「事例性の成立」とは何か?
日時:2023年9月10日(日)10:00〜12:00
講師:能 幸夫(本学会理事・PAS心理教育研究所所⻑・ 湘南病院相談室:病院臨床歴36年)
形式:ZOOMによるオンラインワークショップ
内容:前半はレクチャー、後半は実際の事例の提示による理解とディスカッション
【講師よりメッセージ】
事例性(caseness)の概念は、昨今のメンタルヘルスや一部の臨床心理学的援助のホームページなどでは、疾病性(illness)の概念と並べて、疾病性がクライエントの病的側面 に目を向ける視点で、事例性はクライエントの社会的側面に目を向ける視点と解説されています。
事例性の概念の歴史を見ると、ことはそれほど単純ではありません。もともと1960年半ばに事例性という用語を日本の精神医学に導入する際に、いわゆる精神衛生相談における相談ケースと臨床ケースにおける、問題ケースへの対処として生かせるのではないかということが、日本における事例性概念の出発点となっています。その背景には、反精神医学運動の影響が根強くあり、当時の第一線議論が『精神医学と疾病概念』という本にまとめられました。
その流れを受けて、1980年代の終わりの『臨床心理学概説』では、事例性は、“クライエントが、なぜ、いつ、どこで、誰によって事例と見なされたのかという諸要因の総合”と概念化されています。
さて、当学会の理事長の小谷英文先生は、カウンセリング、心理療法含む心理面接を、「心理面接は、事例性の成立クライエントを対象とし、…」というところから定義づけました。ここで言う事例性は『臨床心理学概説』の事例性の概念を前提としています。事例性が成立することで、当該のクライエントはその心理面接のクライエントになるということです。ここにはとても大事な深い意味があります。
事例性とは何か、事例性の成立とは何か、その概念の重要性を、大会ワークショップの前座として、ここでしっかりつかみ直してみましょう。
参加費:一般専門家:4,000円 学会員:3,000円 大学院生:2,000円
申込方法
下記リンクより申込書をダウンロードし、必要事項を記入の上、学会事務局までメール、FAX、または郵送でお送りください。
- メールl: iadp@iadp.info
- 郵送:〒153-0041 東京都目黒区駒場2-8-9 PAS心理教育研究所内
国際力動的心理療法学会事務局宛 - FAX:03-6407-8201
- 申込締切:9月3日(日)